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-聖なるかたち-
畠中光享VS西洋古典絵画
Hatanaka Kokyo and European old master paintings
[ 絵 ]
From the artist
作家より
日本人の西洋近代絵画崇拝は、明治より始まり現在に至っており、日本画作品のほとんど全てがその亡霊から離れられないでいる。人間一人、一生の行いなどは太古から変わっていない。生老病死、四苦八苦など何も変わっていない。楽をして生活しようという欲だけが図々しくなっている。
古典には何か現代に通じるヒントがある。近い時代から影響を受けるのは馬鹿に等しい。鎌倉期のいくつもの絵巻物、江戸期の絵画の良いものはわかっていても、そこから自身の絵に影響を受けるかというと、それは別物扱いである。ましてや桃山から江戸期と同時代の私の研究テーマであるインド細密画となると、なおさら別物と思われている。
今回は線と色にこだわった自身の作品と、ほぼ500年前の西洋古典絵画とを同時にみてみたく計画をした。
畠中光享
Biography
作家略歴
1947 | 奈良県に生まれる |
1977 | 第21回シェル美術賞受賞 |
1978 | 第1回東京セントラル美術館日本画大賞受賞 |
1981 | 現代日本美術の展望―日本画展(富山県立近代美術館) |
1984 | グループ「横の会」を結成(‘93の最終展まで) |
1985 | 欧米巡回「現代日本画展」(ロンドン他) |
1986 | 現代日本の美術3-戦後生まれの作家たち展(宮城県美術館) |
1987 | 第5回京都府文化賞新人賞 |
第9回日本秀作美術展(’89、'91、'97) | |
近代の潮流「京都の日本画と工芸」(京都市美術館) | |
1989 | ユーロパリア1989ジャパン現代日本画展(ベルギー他) |
1990 | 国際花と緑の博覧会・花と緑日本画美術館(大阪鶴見緑地) |
日本画・現代の視角―その模索と実験―(新潟市美術館) | |
1991 | ときめきの詩―畠中光享日本画展(有楽町アートフォーラム) |
1994 | 朝日新聞朝刊 陳舜臣作「チンギス・ハーンの一族」挿絵連載(~'97) |
1995 | 光州ビエンナーレ招待出品(光州市立民族博物館/大韓民国) |
1997 | 仏伝と飛天 畠中光享展(京都髙島屋他) |
1998 | 第1回NEXT―日本画京都からの表現(京都髙島屋’07の10回最終展まで) |
目―それぞれのかたち第3回21世紀の目展(15回最終展まで) | |
1999 | 毎日新聞朝刊 陳舜新作「天球は翔ける」挿絵連載 |
2000 | 畠中光享の美意識展(大三島町立大三島美術館他) |
2003 | 畠中光享日本画展―日々行歩―(日本橋三越他) |
2004 | 第22回京都府文化賞功労賞 |
2009 | アジアの精神 私のこころ 畠中光享展(国立アダムソン・エリック美術館/エストニア他) |
2012 | 第1回Artist Group-風―公募展(東京都美術館、以後最終第10回展まで毎年出品) |
日印国交60周年記念 畠中光享個展(国立All India Fine Arts & Crafts Society/ニューデリー) | |
畠中光享コレクション 華麗なるインドーインドの細密画と染織の美(新潟市新津美術館他) | |
2013 | 畠中光享展—願―(髙島屋/京都・東京・大阪) |
日本画の現在 20年後の横の会展(新潟市新津美術館他) | |
2014 | 第27回京都美術文化賞 |
2015 | 京都市文化功労者 |
2016 | わが求道—畠中光享~インドと共に~(浜松市秋野不矩美術館) |
2017 | 興福寺中金堂再建・法相柱 柱絵完成記念「興福寺の寺宝と畠中光享」展(日本橋髙島屋/東京など8会場) |
畠中光享コレクション インドに咲く染と織の華(渋谷区立松濤美術館) | |
2018 | 畠中光享日本画展 観想-歴史と自然からまなぶ(京都中信美術館) |
2020 | 小宇宙の精華 インド宮廷絵画展(岡崎市美術博物館) |
2021 | 「畠中光享の今」日本画展(京都府立文化芸術会館) |
畠中光享東本願寺御休息所襖絵完成記念 釈尊への憧憬展(大谷大学博物館) | |
2023 | 第1回アーティストグループ現生―いまを生きる展(京都府立文化芸術会館) |
現在 | アーティストグループ現生メンバー、東方学院講師 |
From the gallery
ギャラリーより
畠中先生 77歳 喜寿 おめでとうございます。祇をん小西も25年、四半世紀を迎へました、この年にお祝いさせていただけること喜びです。
「美術は500年、1000年は同時代の作品と思っているー」と先生、今回は西洋絵画の古い作品と先生の絵の対比だそうです。
いつも話されています「歴史と自然から学び、質の良い絵具はじめ良い画材を用いていつまでも残る作品を創りたい」と。秋の日の一日、ぜひお出かけくださいませ。
小西いく子